はじめまして
僕が30代の頃、ひょんなことがきっかけで札幌に住むアップルソースゴーイングの先代の社長の渡邉好秀さんと出会うことができました。
そんな彼と一緒に話して行く中で、
「佐藤さんに取ってラーメンは日常ですか?チャーハンは日常ですか?東京六本木のパティシエが作るショートケーキは日常ですか?」
という質問にハッとしたことを今でも鮮明に覚えています。
僕にとってはラーメンもチャーハンも日常的な食べ物ですが、六本木のパティシエが作ったショートケーキというものは非日常の食べ物でした。
同じくものづくりをする自分にとって大変心に響くお話でした。
お日様と一緒に、土の香りを感じながら...
青森に帰り、「このお話の意図は何なのか?」自問自答の日々が続く中で、それは付加価値のことを言っているのだということに気付きました。
「じゃあ、その付加価値というものを付けたらりんごは売れるのか?どのような付加価値が必要なのか?」と、また自問自答が続きます。
「りんごを栽培する学校に通い勉強し、先生になり、りんごのパティシエとなれば、りんごが売れるのか?」色々と考え様々なことに取り組んだりしましたが、その付加価値とはお日様と一緒に、土の香りを感じながら、汗水流して、りんごと真摯に向き合いながら、働くということでした。
就農当時はりんごと稲作の複合経営でしたが、水田をりんごへ転作し、今では3.2ヘクタールのりんご園を管理して30年近くなりました。
今まで培った栽培技術と感覚を頼りに、これからも手の届く範囲でりんごづくりを続けていきたいと思っています。
佐藤 隆治